会話とは言葉のキャッチボールである(会話力編2)
今回から、実例を挙げて、会話テクニックについて説明していく。
といってもテクニックと言うほど高度なものは何一つなく、コツさえつかめば、誰でにでもできるものばかりである。
コミュ障や会話下手を自認している人は、ぜひ、参考にしてほしい。
会話テクニックの基本中の基本
会話とは言葉のキャッチボールである、とよく言われる。
- 相手からボール(言葉)をキャッチしたら、こちらも投げ返す
- 相手が再度、投げ返しの動作に移りやすいように、受け取りやすい場所に投げ返す
心掛けることはたったのこの二つだけ。
と言っても、これ、実は言葉だけではなかなか理解できない(できていない)人が多いと思われる。
ので、実例を挙げる。
例えば、合コンで隣に座った女性からこう言われたとする。
「はじめまして。よろしくお願いします」
こう言われた場合、諸君はなんと答えるべきか。
会話下手の非モテ男子は大抵が以下のように答えるのではないだろうか。
「こちらこそよろしく」
はい。不合格(笑)。
何故、不合格かと言うと先ほど挙げた「キャッチボールの基本」を守っていないからだ。
先ほど書いたはずである。
相手が再度、投げ返しの動作に移りやすいように受け取りやすい場所に投げ返す。
実際のボールとミットをつかったキャッチボールなら、相手の胸のあたりめがけてボールを投げ返すだけで良いが、言葉のキャッチボールにおける「受け取りやすい場所」は少々意味が違う。相手が次の言葉を口にしやすいように、こちらは言葉を選ぶ必要がある。
難しいことをいっているようだが、簡単である。
先ほどの例なら、以下のようにすれば良い。
女性「はじめまして。よろしくお願いします」
諸君「こちらこそ。山田太郎(仮名)と言います」
この名前を告げるという行為が、相手に次の言葉を発しやすくさせる(つまり再度投げ返しやすくする)トリガーになっていて、こういうと相手の女性も
「あ。私は高橋麻由子(仮名)と言います」
と応じるしかない。
つまり会話がつながるのである。
そして名を告げられた諸君は
「へえ。まゆこって言うんですか。いい名前ですね。ちなみに漢字ではどう書きますか」
なんて再び、言葉を投げ返せば、会話がどんどん繋がっていく(ちなみに名前の漢字表記を聞く行為が再びトリガーになっている)。
勿論、合コンなどで、いきなり好みのタイプの女性にだけに話しかけるのは、周囲の反感を買うので、ある程度で切り上げるべきだが、なんとなく私のいわんとする「言葉のキャッチボールを長続きさせるためのコツ」については理解していただけたのではないだろうか。
トリガーが思いつかない場合はとりあえず質問
さらに例を挙げる。
例えば、会社で先輩にこう話しかけられたとする。
「なあ。昨日の日本代表サッカーの試合みたか?」
「いえ。興味ないので…」
はい。会話終了である(笑)。
何度も言うが、会話がつながるようにするには、そのためのトリガーを相手に与えつづけることが必要である。
例えば、この場合だと
「いえ。僕、サッカー興味ないんですよ。先輩はサッカー好きなんですか?」
「ああ。俺、高校時代、サッカー部だったからね」
「へえ。レギュラーだったんですか」
「いや、補欠だったんだけどな(笑)」
先ほどの例にもあったが、トリガーは「相手に対する質問」が一番、頭に浮かびやすい。
なので、咄嗟にトリガーがうまく浮かばない場合は、上記のようにとりあえず質問しておけばよい。
自分のことも知ってもらう
が、質問ばかりだと、うざがられる可能性がある。
というわけで、自分のことも多少は交えよう。
先ほどの続きから説明すると
「いや、補欠だったんだけどな(笑)」
「あ。そうだったんですか(笑)。僕はスポーツ全般苦手で……。パソコンとかなら結構詳しいんですが」
「わかる(笑)。なんとなく、お前、文科系っぽいもんな」
「あ。やっぱ、わかります?(笑) 自分でももっと体を動かしたほうがいいとは思っているんですが。最近、ちょっと体重が気になってるんですよね……」
「それは、お前、完全に運動不足だろ。今度、会社の仲間で草サッカーするんだけど、お前も誘ってやるよ」
「本当ですか? ありがとうございます。先輩ももしパソコンのこととかでわからないことがあったら聞いてくださいね」
「おお。サンキュ!」
いかがだろうか。
こんな風にうまく会話が弾むことは実際には少ないかも知れない。
が、トリガーを意識する、という、ごく簡単なことだけで、会話が繋がっていく可能性が大きく膨らむ。
- 相手に、絶えずトリガーを与えるよう、意識する
- 咄嗟の場合は、質問あるいは自分のことを話してみる
上記の会社の先輩との会話例は、一見恋愛とは全く関係ないようだが、何度も繰り返すように、コネや人脈は重要である。
この項で紹介した会話テクニックは、理屈も実践も実に簡単。
コツさえつかめばいくらでも会話をつなげていくことも可能である。
注意点としては自分のことを話す場合、どこまで話していいかを事前に決めておく、ことくらいだろうか。
例えば、アニメオタクだったりした場合、それをカミングしていいのか、していい相手なのか。
私個人の考え方としては、基本的に私は「少なくても質のいい人脈」のほうが良いと感じているので、隠し事はできる限りしないほうが良い、と思っている。
表面上の友達100人よりも、「本当の友達」数人のほうが、貴重である、と考えるなら、自分のマニアックな趣味もどんどんトリガーとして出し惜しみなく使うべきである。
意外な人が、同じ趣味の持ち主だったりする場合もあるのだから。